学校給食での地場農産物の活用について紹介します。
- 中学校、中等教育学校、高等特別支援学校の給食 ⇒ 学校給食センター方式(3センター)
平成10年度から取組みを開始し、特別栽培農産物のニンジン、ジャガイモ、コマツナ、ホウレンソウなどを使用しています。 - 小学校、養護学校、第二養護学校の給食 ⇒ 自校方式(小学校107校、特別支援学校2校)
平成17年度から、市内産農産物を積極的に組み入れた共通メニューを実施しています。
また、通常は県内産米(ふさこがね)を使用しますが、毎年10月から1月の4か月間は千葉市産の新米(コシヒカリ)を米飯に使用しています。
千葉市HPでも、地場農産物の給食メニューについて紹介しています。
6月 じゃがいも – POTATO
- ナス科。茎(塊根)を食べる野菜
- ビタミンC・カリウムが豊富
じゃがいもは一年中食べられる野菜ですが、旬の時期があるのを知っていますか? 日本の南に位置する九州地方では、冬に種芋を植えて春先に収穫します。北に位置する北海道では、春に植えて秋口に収穫します。南から北へ順番に収穫されるので、一年中食べることができます。千葉市は、5月下旬から6月中旬ごろが収穫の時期に当たります。
じゃがいもは、ビタミンCを多く含みます。ビタミンCは熱に弱く、調理をすると減少しますが、じゃがいものビタミンCはでんぷんに守られているため、減少しにくいのが特徴です。
じゃがいもの品種はいくつ?
じゃがいもは、世界に 2000種類ほどあるといわれています。日本で買えるものは約15品種くらいです。男爵、メークイン、キタアカリ、インカのめざめ、ニシユタカ、ホッカイコガネ、とうや、シンシア、ノーザンルビーなどの品種名を聞いたことがありますか? それぞれのおいしさを楽しんでみるのもいいですね。
千葉市でとれるところ
若葉区の御殿町、富田町、中田町および緑区の平川町を中心に生産され、5月〜6月ごろ収穫されます。
給食メニューのレシピ
7月 すいか – WATERMELON
- ウリ科。果菜(果実)を食べる野菜。
- アミノ酸(シトルリン)、カリウムを多く含む。
すいかは、大玉すいかや小玉すいかがあり、皮は緑色のしま模様で、果肉は赤色や黄色です。どれも日本で一般的に栽培されていますが、私たちの住む千葉市で作られているのは、主に大玉で果肉の赤いものです。
他にも、種なしすいかや、皮が黒くしま模様のないものなどがあります。
- 【一番甘い部分は?】
すいかの中心部分がいちばんあま 一番甘みがあります。甘い部分がいきわたるように切りましょう。 - 【食べごろの温度は?】
すいかの食べごろの温度は 15°Cくらいです。冷蔵庫から出してすぐは冷えすぎているので、少し置いてから食べましょう。 - 【すいかに塩をかけるのはなぜ?】
塩には、すいかの甘みを強く感じさせる 働きがあります。ただし塩をかけすぎると、塩味ばかりを感じてしまいますので、控えめにしましょう。
千葉市でとれるところ
若葉区大広町、小間子町、緑区平山町を中心に生産され、6月〜8月ごろ収穫されます。栽培面積は30ha(動物公園ほぼ1個分)、収穫量は1170t(ゾウ約600頭分)です。
7月 とうもろこし – CORN
- イネ科。種子(果実)を食べる植物
- 糖質・食物繊維が豊富
とうもろこしの 旬 は夏です。
鮮度が命のとうもろこしは、早朝に収穫して出荷されます。缶詰や冷凍食品にするときにも、収穫後すぐに加工します。品種は、甘みの強いピーターコーン、ゴールドラッシュなどの「スイート種」のほか、ポップコーンを作る「ポップ種」があります。
日本では、とうもろこしの有名な産地は北海道ですが、 私たちの住む千葉県でも多く生産されています。
- 【ふさふさのひげは〜】
「絹糸」といい、めしべの部分です。ひげの数で、とうもろこしの実の数が決まります。茶色に変わる頃が食べごろです。
千葉市でとれるところ
緑区や若葉区で生産され、7月ごろ収穫されます。品種は「ゴールドラッシュ」が多いです。
とうもろこしの栄養
- 糖質
糖質が多く、エネルギー量が高いため、主食として食べている国もあります。 - ビタミン B1
疲労回復に効果があります。また、糖質をエネルギーに変えるときに必要な栄養素です。 - 食物繊維
便秘の改善や病気の予防に効果があります。
おいしい食べ方
調理科学の考え方を交えた、おいしい食べ方を提案します。
- 外側の皮は、 表面を覆うギリギリ1〜2枚を残します。上部は、切り取ってもよいです。
※皮を残すことで、風味と水分を閉じ込めます。 - フライパンか深鍋を準備して、とうもろこしが被る程度の水を入れて蓋をし、ゆっくり時間をかけて加熱します(蒸気が立ったら火を弱め、20分くらい加熱します。途中、菜箸などで転がしましょう)。
※とうもろこしは、ゆっくり加熱されることにより多くのでんぷんが糖に変わり甘くなります。 - 火が通ったら、皮をむいて食べます。すぐに食べない場合は、皮をむかずラップに包み保存します。
11月 キャベツ – CABBAGE
- アブラナ科。葉を食べる野菜
- ビタミンC、ビタミンUが豊富
キャベツは世界最古の野菜のひとつです。葉が中心に向かって、何枚も重なりあって丸い玉になります。約40から50枚ほどの葉が重なっています。これは、葉からの水分の蒸発を防ぎ、中心にある花の芽を紫外線から守るためと考えられています。
旬の時期は1年に3回あり、春キャベツ、夏秋キャベツ、冬キャベツと呼ばれます。収穫時期によって味や色が異なり、春キャベツは、鮮やかな黄緑色でふわっと軽い巻きをしています。夏秋キャベツは、葉がやわらかく、巻きはしっかりとしています。冬キャベツは、葉がしっかりと巻かれ、固くずっしりと重いことが特徴です。
千葉市でとれるところ
花見川区の武石町、長作町、天戸町、畑町を中心に生産され、11月〜2月ごろ収穫されます。
給食メニューのレシピ
11月 こまつな – KOMATSUNA
- アブラナ科。葉を食べる野菜
- カロテン、カルシウムが豊富
こまつなは、江戸時代以降に東京の小松川地区で栽培され、その地名から「こまつな(小松菜)」の名前がついたと言われています。寒い時期のこまつなは、霜に当たるたびに葉が厚くなり、みずみずしく柔らかく、アクが抜けて甘みも増します。葉の色が濃く、厚みがあり、根元が太いものがおいしいこまつなです。
こまつなは、体内でビタミンAになる「カロテン」が多く、皮膚や粘膜を丈夫にする働きがあります。油に溶けやすいので、油を使って料理をすると効率良く栄養を取ることができます。また、カルシウムや鉄といったミネラルも多く含むため、年代を問わず積極的に食べたい野菜です。
千葉市でとれるところ
こまつなは花見川区武石町・犢橋町、緑区高田町を中心に生産されます。品種改良やビニールハウスの使用などにより、年間を通して収穫されます。千葉市は千葉県の中でも特に多くこまつなを生産しています。
給食メニューのレシピ
11月 さつまいも – SWEET POTATO
- ヒルガオ科。根(塊根)を食べる野菜
- 食物繊維、ビタミンC、カリウムが豊富
さつまいもの種類はとても多く、味や形・色・食感など様々です。そのため、その特徴を活かした食べ方ができます。焼く・蒸すといった簡単な調理の他にも、「さつまいもごはん」「大学芋」「スウィートポテト」など、食卓を楽しませてくれる料理も豊富にあります。
さつまいもは糖質(でんぷん)が多く、体を動かすためのエネルギー源となります。栄養価が高く育てやすいことから、日本では主食としていた時代もありました。
現在の食生活の課題のひとつに、塩分の取りすぎがあげられます。さつまいもに多く含まれるカリウムや食物繊維は、取りすぎた塩分を体の外に排出する働きがあり、食生活の改善にも役立ちます。
千葉市でとれるところ
花見川区・若葉区・緑区で生産され、9月〜11月ごろ収穫されます。収穫体験などができる施設もあります。
千葉県指定史跡
「青木昆陽甘藷試作地(あおきこんようかんしょしさくち)」
千葉市花見川区幕張町4-594-2
さつまいもの栽培と普及に貢献し、多くの人の生命を救った青木昆陽。史跡は千葉市の京成幕張駅の近くにあります。道を挟んで向かい側には、青木昆陽を祀った「昆陽神社」もあります。
給食メニューのレシピ
12月 だいこん – DAIKON
- アブラナ科。根や葉を食べる野菜
- 根:ビタミンC、葉:ビタミンAが豊富。
日本では、たくさんの品種のだいこんが作られています。世界一大きくて重い「桜島だいこん」、世界一細長い「守口だいこん」などがあります。普段よく食べているのは、「青首だいこん」という品種です。根の白い部分は煮物や汁物のほかに、すりおろしたり細かく切ったりして生で食べることもでき、幅広く料理に活用できます。葉の部分は栄養が豊富なので、ふりかけや炒め物などにして食べましょう。
- 【選ぶポイント】
ヒゲ根が少なく、ハリとツヤがあり、ずっしりと重みのあるものを選びましょう。 - 【青首だいこん】
もっとも多く出回っている品種で首の部分が緑色をしています。
千葉市でとれるところ
主に若葉区中田町、富田町、中野町、緑区平川町で生産され、10月〜12月ごろ収穫されます。